vol.2 決済方式の種類と特徴

キャッシュレスは、暮らしの大きなアドバンテージに。

昨今、政府の旗振りのもとで、日本でもキャッシュレス化が急速に進み始めていますが、ひと口にキャッシュレスといっても、さまざまな決済方式があります。

多様なサービスの存在は、この国の便利さや豊かさを示すものですが、他方で消費者を混乱させ、その煩(わずら)わしさが利用の妨げとなっていることも事実。それがこれまで日本でキャッシュレス化が進まなかった、理由のひとつといわれています。

しかし、キャッシュレスの普及が本格化している以上、各決済方式の特徴を理解し、それに対応していくことは、これからの時代を賢く、快適に暮らしていくうえで、大きなアドバンテージとなるはずです。そこで今回は、それぞれのサービスの特徴について、順番にみていきましょう。

キャッシュレスの基本は、クレジットカード。

まず、キャッシュレス決済の基本、礎(いしずえ)となっているのが、〈クレジットカード〉です。クレジット、つまり「信用」という言葉が示すように、カード会社は会員となった利用者を信用して、利用者が購入した商品・サービスの代金を立替払いし、その分を後で利用者に請求します。つまり、クレジットカードは「後払い(ポストペイ)」というのが最大の特徴です。

次に、このクレジットカードと似て非なる存在として〈デビットカード〉があります。お店での支払時に、自分の銀行口座からすぐにお金が引落しされる「即時払い(リアルタイムペイ)」というのが特徴で、カード発行に審査の必要はなく、銀行口座さえあれば誰でも持てるのがポイントです。

しかも2018年4月からは、「キャッシュアウト機能」も加わりました。たとえば、利用者が10,000円の引落し請求をして、消費税を含む5,000円の洋服を買ったとすると、差額分の5,000円を現金で出してもらえるというもの。つまり、決済と現金引出しが同時にできるので、利用者にとってはATMに行かなくても済むというメリットがあります。

決済スピードが速いのが、電子マネー。

そして、キャッシュレス決済にはもうひとつ、〈電子マネー〉があります。Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)といった交通系や、楽天Edy(ラクテンエディ)やWAON(ワオン)、nanaco(ナナコ)などの流通系、iD(アイディー)やQUICPay(クイックペイ)といった専業系などがあります。

これらはソニーが開発した非接触型といわれるICカード技術「フェリカ」を使っており、もともと乗車券としてラッシュ時の自動改札を通ることを前提に設計されていることから、何より決済スピードが速いのが利点となっています。

クレジットカードの後払い、デビットカードの即時払いに対して、電子マネーは「前払い(プリペイド)」となっているのが特徴です。ただし、近年はクレジットカードなどに紐付けることで、後払いのできる電子マネーも増えています。

所有するカードを登録すれば、スマホでも決済可能。

クレジットカード、デビットカード、電子マネーについては、利用者が使うデバイス、つまり道具もプラスチックカードが基本となっています。しかし、ここ数年で急速に台頭してきたのが、スマートフォンを使った決済サービス、いわゆる〈スマホ決済〉です。

その利点は、現金やプラスチックカードを持たなくても、所有するクレジットカードやデビットカード、あるいは電子マネーを登録することで、スマホ1台で決済できることにあります。

これまでも日本では、いわゆる「おサイフケータイ」機能がついたフェリカ搭載の携帯電話(通称ガラケー)を使って、電子マネーによる決済をすることができましたが、主流とはなりませんでした。ところが、2016年にグーグルによる「アンドロイドペイ(現・グーグルペイ)」、2017年にアップルによる「アップルペイ」のサービスが開始されたことで、一気に流れが変わりました。

にわかに注目を集めている、QRコード決済。

とりわけ今日のスマホ決済をキャッシュレスの注目株へと押し上げているのが、〈QRコード決済〉です。日本では、オリガミペイや楽天ペイがいち早くサービスを開始しましたが、今ではさまざまな陣営が参入し、まさに群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)の様相を呈(てい)しています。

その使用方法は、消費者がスマホに表示されるQRコードを提示し、それをお店がスキャンする「ストアスキャン型」と、お店がコードを提示し、それを消費者がスマホでスキャンする「ユーザースキャン型」に大別できます。決済方式は銀行口座からお金を引落して使うリアルタイムペイに加え、あらかじめチャージした残高から支払うプリペイド、クレジットカードと紐付けたポストペイにも対応します。

このQRコード決済は、消費者にとっては決済だけでなく、個人間の送金も可能となっているものも多く、これはクレジットカードや電子マネーなどにはない機能です。また、店舗側のメリットも大きく、導入には専用の機器が必要なく、加盟店手数料も低く抑えられているのが特徴です。初期コストや手数料の高さからキャッシュレス決済を見送ってきた小規模事業者の店舗でも導入しやすいとされており、複数あるキャッシュレス決済のなかでも、にわかに注目を浴びています。

理解しておくべきポイントは、支払いのタイミング。

以上、現在のキャッシュレス決済の手段、その特徴について駆け足で解説しましたが、消費者として理解しておくべき一番のポイントは、支払いのタイミングです。「後払い(ポストペイ)」なのか、「即時払い(リアルタイムペイ)」なのか、「前払い(プリペイド)」なのか。ここを正しく理解しておけば、キャッシュレス決済も体系立てて整理でき、そのメリット、デメリットも自ずと浮き彫りになります。

浪費癖のある人はプリペイドがよいでしょうし、現金主義をモットーとする人はリアルタイムペイがよいでしょう。計画的にお金を管理できる人なら、ポストペイでも使いすぎる心配はないはずです。

「スマホ決済」2つの方式「スマホ決済」2つの方式

QRコードはデンソーウェーブの登録商標です。

解説:岩田昭男

いわた・あきお/消費生活ジャーナリスト。1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程修了後、月刊誌記者などを経て独立。流通、情報通信、金融分野に明るく、マスメディアへの出演のかたわら、精力的に取材、執筆中。著書、監修書多数。

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