会員規約変更の理由および主要な変更点(コーポレート用・個人決済型)
I 会員規約を変更する理由
1 MUFGカードとDCカードのシステムの統合(一本化)に対応するため
三菱UFJニコスでは、2025年12月にMUFGカードのシステムとDCカードのシステムの統合(一本化)を予定しております。これに伴い、両システムで異なる部分を一元化するため、会員規約もこれに合わせて変更いたしました。
2 できる限り明確でわかり易い規定に改めるため
どのような要件のもと、どのような効果が生じるかについて、できる限り具体的に規定すること、必要に応じて計算式や表を活用することなどにより、規定内容ができる限り明確に、且つ、わかりやすくなるようにいたしました。また、必要な事項が定められた条項を容易に確認できるよう、検索可能性を高めることといたしました。
3 取引環境の変化に対応するため
ICカードやEC取引の一般化、利用範囲の拡大など、クレジットカード取引に関する環境は変化しており、これらにより適切に対応するため、必要な規定を置くことといたしました。
4 法律構成等の明確化等のため
コーポレートカードに関連し、ショッピングの法律構成が立替払いの委託であることを明確にしたうえで、取引の実情に合わせて、委託内容の整理や民法の委任の規定との整合性確保などを図りました。そのほか、近年増加している継続課金取引の場合における立替払いの委託時期、キャッシングサービスの成立要件など、コーポレートカード取引に関する基本的事項について、法律構成を明確化しております。
Ⅱ 主要な変更点
1 会員規約の形式面の変更
- 会員規約の各条項の配列を以下のとおり再整理いたしました。
- ①カード会員契約の成立ならびに会員さまの地位に関する事項(第1編)
- ②カード等の利用等と支払に関する事項(第2編)
- ③退会、会員資格の取消等に関する事項(第3編)
第2編は、その中を4章に区分し、利用可能枠に関する事項(第1章)、ショッピングの利用方法や利用により負担する支払義務に関する事項(第2章)、キャッシングサービスの利用、キャッシングサービス手数料に関する事項および返済義務に関する事項(第3章)、支払に関する事項(第4章)を定めました。
各章中も、規定の内容に応じて小区分を設けております。
第3編は、退会、会員資格の取消などカード会員契約の解除に関する事項のほか、規約の変更などカード会員契約の変更に関連する事項、反社会的勢力等の排除に関する事項などを規定しております。 - 現行会員規約が1か条に多岐にわたる事項を規定していたことを改め、1か条に規定する事項を絞り込むとともに、当該条項で規定した内容をもとに見出しを設けました。
- 目次を設けました。
以上(1)から(3)の変更により、必要な条項を探しやすくするようにいたしました。
2 カード会員契約の締結により会員さまが負担する義務に関する条項についての変更
- 暗証番号を用いた取引が一般化していることを踏まえ、暗証番号の設定および管理に関し、求められる事項について現行規約より詳細に定めました(12条、14条)。
- カードの占有喪失時の会員さまの義務と責任の範囲について整理いたしました(15条、16条)。
- カード情報が不正利用される事案が増加していることを踏まえ、カード情報の他人利用のおそれが生じた場合等の調査に関する事項を規定するとともに、カード情報が利用された場合の会員さまが責任を負う範囲を明確にいたしました(17条、18条)。なお、偽造カードによる不正利用については、カード情報の不正利用の一形態と考えられることから、カード情報の不正利用と並んで規定しております。
- クレジットカード本人認証サービスの利用が義務付けられたことを踏まえ、クレジットカード本人認証サービスが利用された場合の会員さまの責任の範囲について会員規約中に整理して定めました(20条)。
- 民法上故意または過失により契約上の義務に違反した場合には、これにより生じた損害を賠償する義務を負うこととされているところ、上記(1)から(4)までの義務については、会員さまが故意または重大な過失により違反した場合に限り、カード等利用代金等相当額以外に当社に生じた損害についても、当社が損害賠償を請求できることを規定いたしました(16条4項、18条3項、19条3項、20条4項)。
- ネットショッピングサイトやコード決済事業者さま等にクレジットカード番号等を登録して利用することが増加していることを踏まえ、クレジットカード番号等を登録して利用できる場合を定めました(21条)。
- 届出義務について規定を整理し、在留資格等の届出を求めることができることなどを定めました(23条)。
- 資金洗浄やテロ資金供与などの金融犯罪遂行を目的とし、もしくはその手段としてカード会員契約を締結し、またはカード等を利用することが禁止されることを明示的に規定いたしました(27条)。
- WEBサービスおよびWEB明細は、カード等の利用状況を早期に会員さまに告知することができる、会員さまに必要または有益な情報を速報することができるなど、会員さまにとってこれを活用することが利益であるとともに、これを活用することは、低廉なコストでサービスを提供するクレジットカード取引の基盤をなすものです。そこで、新たにWEBサービスおよびWEB明細の登録に努めるべきことを規定するとともに、これらを利用する場合の会員さまの義務のうち特に重要な事項につき、会員規約中に規定いたしました(28条、29条)。
3 ショッピング利用に関する条項についての変更
- 加盟店さまにおいてカード等を利用したときには、会員さまが当社に売買代金等の立替払いの委託を申し込んだものであることを明確にするとともに、原則として当該申込がなされた後は撤回ができないことを規定いたしました(34条1項)。
- カード等の利用による立替払いの委託の申込の承諾とその効力発生時期に関し、取引実態に整合するよう規定を整備いたしました(34条2項)。
- 立替払いの委託契約が成立したときの加盟店さま宛の支払について、取引実態をもとに規定を整備し、且つ立替払いの委託に条件もしくは期限を定めること、または立替払いの執行について、時期、方法その他の制限を加えることができないことを注意的に規定いたしました(34条3項から5項まで)。
- クレジットカード番号等を加盟店さま等のサーバーに登録して利用することが増加していることを踏まえ、クレジットカード番号等を登録して利用できる場合を定めるとともに、会員さまが退会等で会員資格を失った場合に、クレジットカード番号等の登録を削除すべきことを定めました(38条)。
- 継続課金取引が一般化していることを踏まえ、当該取引の場合、どの時点でショッピング利用がなされたものと扱うかについて、明確化いたしました(39条)。併せて、継続課金取引を終了した場合の会員さまの義務についても規定しております(40条)。
- カードの不正利用を防ぐため、ショッピング利用時の本人確認等に関する規定を整備し、当社または加盟店さまが行う本人確認に応じるべきことを定めるとともに、当社から加盟店さまに対して会員さまに関する情報を、加盟店さまから当社に対してショッピング利用に係る売買等に関する情報、または当該カード等の利用者に関する情報を提供できることを規定いたしました(41条)。
- ショッピング利用に係る禁止行為を整理いたしました(42条)。
いわゆるショッピング枠の現金化のような資金調達を目的とするショッピングの利用が禁止されることなど、基本的には現行会員規約と同様です。なお、法定通貨、もしくは暗号資産の購入などは、資金調達を目的とする取引に該当するおそれが大きいことから禁止されることを明確にいたしました。
その他、以下の事項を禁止行為として規定いたしました。- ①禁制品の購入など違法な目的または違法な行為の手段として行われる利用
- ②金融商品取引法で認められる場合を除き、金融商品購入のための利用
- ③投機性が高い商品等の購入等に係る利用
- ④不当にポイントやマイル等、カード利用による特典等を得ることとなる利用
- ⑤加盟店さまに対する過去の債務の精算のための利用
- 海外加盟店さまでショッピング利用時に邦貨建て利用されるものが増加していることを踏まえ、海外アクワイアラー加盟店さまにおけるショッピング利用のうち、邦貨建てで利用されたものについての規定を新設いたしました(45条)。
4 キャッシングサービス利用に関する条項についての変更
- キャッシングサービスにつき、融資金の交付により金銭消費貸借契約が成立すること、キャッシングサービス利用可能枠の設定を受けていても、金銭消費貸借契約の申込に対して承諾する義務および融資金を交付する義務がないことを定め、諾成的金銭消費貸借契約ではないことを明確にいたしました(48条)。
- キャッシングサービスの禁止行為の条項を新設し、実質的に送金として行われるものは行ってはならないことを明確にいたしました(52条)。
5 お支払いに関する条項についての変更
- キャッシングサービスについて期限前弁済をするためのお手続きおよび範囲等を明確にいたしました(71、72条)。
- 定められたお手続きによらずまたは定められた範囲とは異なる範囲で約定支払日前にお支払いをした場合、当社所定日に当社に対して負担する金銭債務に充当できること、金銭債務の負担がない場合には相当な方法で返金するものの、返金すべき金額に利息を付さないこと、および返金費用を会員さまが負担することを明確にいたしました(73条、74条)。
- 期限の利益喪失事由に関する規定を整備し、当社に対する金銭債務の履行遅滞、信用状態の悪化、またはカード会員契約もしくは個別のカード利用に係る契約に定められた金銭債務を除く義務の違反に分類のうえ規定いたしました(75条)。
6 退会、会員資格の取消その他の条項についての変更
- 反社会的勢力の排除に関する事項を会員規約本文に規定いたしました(78条)。
- 会員規約の変更について、社会情勢または経済状況の変動、法令、自主規制機関の規則もしくは国際ブランドのルール変更、または当社の業務もしくはシステムの変更などに対応するためその他の必要があるときには、民法の定めに従い変更することができる旨、およびその手続を規定いたしました(79条)。
- 現行会員規約が一定の事由がある場合に、「カード利用の停止、会員資格の取消し、法的措置等の必要な措置」をとることができると定めていた点を改め、当社がとりうる措置について、会員資格の取消とカード等の利用停止の2種類であることを明確にするとともに、会員資格の取消とカード等の利用停止を別個に規定し、要件と効果の対応関係を明確にいたしました(81条および82条)。
- 会員資格の取消が、会員さまと当社との間のカード会員契約の解除であることを明確にいたしました(81条)。
- 現行会員規約で、会員資格取消事由とされている事項について、できる限り明確に定めました。特に、現行会員規約で、「本規約に違反し、もしくは違反するおそれがある場合」、「その他当社が必要と判断した場合」と規定されている事項については、それぞれ以下のとおり規定いたしました(81条)。
- ①無催告で会員資格の取消に至る事由として
- a 当社に対する金銭債務の履行遅滞
- b 信用状態の悪化
- c カード会員契約または個別のカード利用に係る契約上の義務違反(aを除く)
- d 信頼関係を破壊する行為
- e 上記の複合
このうちcに該当するものとしては、カード等または暗証番号等の管理義務違反、カードの占有喪失時の義務違反、クレジットカード本人認証サービスに関する義務違反など、不正利用防止のための義務に違反したことや、重要事項に関する虚偽届出など、ショッピングの禁止行為違反などが含まれます。
dには、当社もしくはその委託先またはその役員、従業員もしくは代理人に対する暴力行為、風説の流布、偽計または威力を用いて当社の信用を毀損しまたは当社の業務を妨害したことや、いわゆるカスタマーハラスメントを行ったことなどを含みます。 - ②催告解除となるものは、届出事項に係る届出義務、申告義務の履行遅滞や列挙された事項以外のカード会員契約上の義務違反(軽微なものを除く)が該当いたします。
- ①無催告で会員資格の取消に至る事由として
- 会員さまの責に帰すべき事由がない場合であっても、以下の事由があるときには、相当な予告期間を定めて通知することにより、カード会員契約を将来に向かって解約することができることを定めました(83条)。
- ①当社が、合理的理由によりカードの商品性を変更する必要がある場合
- ②第三者と提携して発行するカードについて提携関係を終了したなどの合理的理由により、カードの継続発行が困難になった場合
- ③会員さまが長期間、カードのショッピングおよびキャッシングサービスを利用しないなど利用状況に照らして合理的理由がある場合
- 更新カードを発行しなかった場合には、有効期間満了時点でカード会員契約が終了すること、カードの発行と貸与、更新カードの発行と貸与などの規定に従い当社がカードを発行し会員さまに対して送付したにもかかわらず、相当期間内に会員さまがカードを受領しない場合には、相当期間満了時にカード会員契約が終了することを明確にいたしました(84条)。
- カード会員契約が終了した場合の効果について明確にいたしました(85条)。
7 削除した条項
- 旧DC会員さまのカードローンに係る規定(現行会員規約D*133条ほか)
旧DC会員さまについてはカードローンの新規取扱いを既に取りやめていることから、現行会員規約中カードローンに関連する部分をすべて削除いたしました。これに伴い、既往カードローンの締切日、利息計算および返済額の算定に関する経過措置を規定しております。 - 戦争、地震等著しい社会秩序の混乱の際に盗難、紛失等が生じた場合、会員さまの盗難紛失に係る債務が残る旨の規定(現行会員規約M*217条3項3号、D14条2項3号)
大震災などで社会秩序が混乱した状況下でのカード盗難、紛失等の場合、当然に会員さまの盗難紛失に係る債務が残る定めは妥当ではないことを踏まえ、免責の成否は他の条項によって判断することとし、削除いたしました。 - 当社の債権譲渡等の同意(現行会員規約M24条、D16条の3)
当社取引金融機関等への債権譲渡等について、想定される取引実態等をもとに、あらかじめ会員さまの同意を取得することを削除いたしました。 - 商品の所有権(現行会員規約M27条、D25条7項)
ショッピングを利用して購入した商品の所有権を、ショッピング利用代金が完済されるまで当社に留保する条項については、贈答用商品購入の代金支払いのためにショッピング利用がなされること、これらの利用を当社として制限していないことなどの取引実態をもとに、削除いたしました。 - 見本・カタログ等と現物の相違(現行会員規約MD28条)
見本・カタログにより商品等の売買等を行うも現物と相違している場合、加盟店さまに対し商品等の交換を求める、または売買契約を解除することができるとの規定については、売買契約の当事者でない当社が約束することができない事項であること、特に海外加盟店さま等、当社が加盟店契約の当事者となっていない場合にあたることなどを踏まえ削除いたしました。 - カード会員契約における契約当事者の変更(現行会員規約D1条等)
DCブランドのフランチャイジー各社がカード発行会社となる場合、これまでカード会員契約は、会員さま、フランチャイジー各社および三菱UFJニコスの三者間契約でしたが、三菱UFJニコスを契約当事者から除外し、会員さまおよびフランチャイジー各社の二者間契約に変更いたします。- Dは、DC法人会員規約(コーポレートカード)個別払い型を指します。((6)まで同様)
- Mは、MUFGカード法人会員規約(コーポレート用・個人決済型)を指します。((5)まで同様)