法人税とは?税率や申告期限、計算方法をわかりやすく解説
法人税は、個人に対してかかる所得税と同じ国税ですが、その仕組みや税率には大きな違いがあります。また、法人税の納税額は会社の資金繰りにも影響するので、法人化する個人事業主の方やこれから起業する方は、法人税について正しく知っておきましょう。
ここでは、法人税の仕組みを知るために、税率や申告期限、計算方法をわかりやすく解説します。
法人税とは法人の所得に課せられる税金のこと
法人税とは、法人の企業活動で得た所得に対して課せられる国税です。個人事業主の所得には所得税が課せられるように、法人の所得には法人税が課せられます。
なお、法人に課せられる税金には、法人税のほかに、地方税の法人事業税や法人住民税があり、これらをまとめて「法人税等」と呼ぶこともあります。
法人税がかかる法人の種類
法人税は、すべての法人が課税対象となっているわけではありません。法人税の課税対象となる法人は、株式会社や合同会社などの普通法人と、協同組合等の2種類です。法人税が課せられる法人をさらに詳しく見てみると、主に以下の表のようになります。
■ 法人税の課税対象
普通法人 | 株式会社、合同会社、合資会社、合名会社、有限会社、医療法人など |
---|---|
協同組合等 | 生活協同組合、農業協同組合、漁業協同組合、労働者協同組合、信用金庫など |
なお、公共法人、公益法人等、人格のない社団等の3種類は、法人税の課税対象にはなりません。ただし、公益法人等と人格のない社団等については、収益事業から生じた所得は課税対象になります。
法人税の課税対象にならない法人は、以下の表を参考にしてください。
■ 法人税の課税対象とならない法人
法人の種類 | 主な法人 | 課税条件 |
---|---|---|
公共法人 | 地方公共団体、日本政策金融公庫、国立大学法人、地方独立行政法人、日本中央競馬会、日本年金機構、日本放送協会など | 課税対象とならない |
公益法人等 | 一般社団法人、NPO法人、公益社団法人、公益財団法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人など | 収益事業から生じた所得のみ課税対象となる |
人格のない社団等 | PTA、マンションの管理組合、各種研究会など |
法人税の対象期間と申告期限
法人税の申告期限は、事業年度終了日の翌日から2カ月以内です。個人事業主の事業年度は1月1日から12月31日と税法で定められていますが、法人の場合は事業年度を1年以下の期間で自由に決められます。会社設立時の定款に事業年度を定める際には、決算と事業の繁忙期が重ならないよう注意しましょう。
中間申告分と確定申告分
法人税は、個人事業主の所得税と同じく、自分で納税額を計算して納税する申告納税制で、基本的に中間申告分と確定申告分に分けて納税します。
中間申告分の納付期限は、各事業年度開始の日から6カ月を経過した日から2カ月以内、確定申告分は、各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内です。ただし、前事業年度の法人税額が20万円以下、または設立初年度の法人は、中間申告分を納付する必要はありません。
申告・納付期限を延長したい場合の対応
定款に「定時株主総会を事業年度終了後3カ月以内に行う」と定めていれば、2カ月以内に決算が確定しなくても、納税地を管轄する税務署に「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請書」を提出すると、申告期間の1カ月延長が可能です。
ただし、納付期限は延長されないため、見込みの金額で納税しなくてはなりません。事業年度終了から2カ月以内に納付しなかった場合は、利子税がかかるので注意しましょう。
なお、災害などにより申告ができない場合は、申告・納付期限ともに延長される制度を利用できます。この制度については、国税庁のWEBサイト「1 申告期限の延長」をご確認ください。
法人税が課せられる所得
法人税が課せられる所得とは、益金から損金を差し引いた金額になります。
益金とは、法人税を計算する際の収益のことで、商品・サービスを販売した売上収入や不動産の売却収入などのことです。損金とは、法人税を計算する際の損失のことで、仕入れにかかった費用や販売費、災害などによる損失などが該当します。法人税の課税対象である所得の計算式は以下のとおりです。
法人税の課税対象である所得の計算方法
- 法人税の課税対象である所得=益金(売上収入や売却収入)-損金(売上原価や販売費、損失費用)
なお、「益金」「損金」は税務上で用いるもので、会計上ではそれぞれ「収益」「費用」という扱いになります。ただし、会計上の「費用」に含まれても、税務上の「損金」としては扱えない項目などがあるため、必ずしも金額が一致するわけではありません。
そのため、会計上の税引前当期利益に、法人税法にもとづいて加算や減算をする税務調整を行い、課税所得を算出します。
■ 法人税額の計算方法
※財務省「6「法人税」を知ろう」
法人税の税率と計算方法
法人税額は、前述で算出した課税所得に定められた税率をかけ、該当する税額控除額があれば差し引きます。計算式は以下のとおりです。
法人税額の計算方法
- 法人税額=課税所得×税率-税額控除額
法人税の税率は、法人の種類や資本金の額などによって規定があります。株式会社や合同会社など普通法人の税率は、以下の表のようになります。
■ 普通法人の法人税の税率
区分 | 税率 | ||
---|---|---|---|
資本金1億円以下の中小法人 | 年間所得800万円以下の部分 | 下記以外の法人 | 15% |
適用除外事業者 | 19% | ||
年間所得800万円超の部分 | 適用除外事業者 | 23.2% | |
上記以外の法人 | 23.2% |
※国税庁「No.5759 法人税の税率」
普通法人の法人税の税率は、資本金が1億円以下かどうかで区別されます。資本金1億円以下の法人であれば、年間所得800万円以下の部分については15%、800万円を超える部分については23.2%の税率が適用されます。
このように、法人税の税率は15%か23.2%のどちらかですが、所得税の税率は所得によって5~45%まで段階的に上がる累進課税制です。そのため、年間所得が一定額を超えると、法人化したほうが税負担を軽減できることもあります。ただし、法人化すると社会保険料の負担などもあり、一概に法人化によって負担が減るとはいえないので、不安な場合は税理士に相談してみましょう。
法人税の納付方法
法人税の納付方法は、クレジットカード納付や現金納付などさまざまな方法が選べます。
国税庁のWEBサイト「G-2 国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)」によると、納付方法には以下のようなものがあります。
クレジットカード納付
法人税は「国税クレジットカードお支払サイト」からクレジットカード納付が可能です。利用できる国際ブランドは、Visa、Mastercard®、JCB、アメリカン・エキスプレス®、Diners Clubです。クレジットカード納付の場合は、納付税額に応じた決済手数料がかかり、領収書は発行されませんので注意しましょう。ただし、クレジットカードのポイントがたまったり、窓口に行かずに手軽に納税ができたりするメリットがあります。
現金納付
法人税は、金融機関や所轄の税務署の窓口で納付書を使って、現金で納付することができます。納税額が30万円以下なら、コンビニエンスストアでの現金納付も可能です。ただし、コンビニでの納付は、納付書またはQRコードが必要です。
振替納税
振替納税は、納税者名義の銀行口座から引き落としで納税する方法です。利用するには、事前に銀行口座を登録しておく必要がありますが、一度登録すれば、以後は自動で引き落としてくれます。なお、銀行口座の登録はe-Taxのほか、税務署または銀行口座のある金融機関へ専用の依頼書を提出します。
ダイレクト納付
ダイレクト納付は、e-Taxで確定申告を行い、納税者名義の銀行口座からの引き落としで納付する方法です。利用するには、事前にe-Taxの利用開始手続きのほか、税務署または銀行口座のある金融機関へ専用の届出書を提出する必要があります。
インターネットバンキング納付
法人税はインターネットバンキングやATMなどからも納付できます。利用するには、事前にe-Taxの利用開始手続きのほか、インターネットバンキングの口座開設が必要です。
法人税の申告・納税の手間を軽減するにはビジネスカードの利用がおすすめ
法人税を納めるには、課税所得と法人税額を計算し、申告期限内に確定申告と納付を行わなければいけません。税理士に依頼するとしても、確定申告の手間をできる限り減らすには、会社の経費支払いを法人カードに一本化することがおすすめです。
法人カードと会計ソフトを連携しておけば、日々の支出の入力漏れを防げるだけでなく、入力の手間も省けます。また、法人カードは個人カードよりもご利用可能枠が大きいので、仕入れ代や広告費の支払いにも余裕がもてます。法人カードといっても、個人事業主が申し込めるビジネスカードもあるので、法人化前に準備しておくと、スムーズな会計処理ができるでしょう。
初めてビジネスカードを持つ経営者におすすめの三菱UFJカード ビジネス
三菱UFJニコスが発行している「三菱UFJカード ビジネス」は、スモールビジネスや個人事業主の方が入会しやすく、初めてビジネスカードを持つ経営者におすすめです。
ビジネスカードのご利用金額は法人口座(屋号付き口座)からの引き落としになり、立て替え払いの負担を軽減したり、会計ソフトと連携して経費管理業務の効率化を図れたりします。また、引き落とし日に経費の支払日を一元化できるため、支払いまでにゆとりができて、キャッシュフローの改善などにも役立つでしょう。年会費は1,375円(税込)で、出張経費の削減に貢献する限定プランや、経費が割引価格になる優待サービスも利用可能です。
さらに、経費の支払いで1ポイント5円相当で使えるポイントがたまるだけでなく、ご利用金額に応じて基本ポイントを優遇するサービスや、入会初年度は国内利用でポイントが1.5倍になる優待サービスなどもあります。
すでに法人カードを持っていて、ご利用可能枠を増やしたいという場合にもおすすめの1枚です。
三菱UFJカード ビジネスの特長
- 出張経費の削減や経費が割引価格になる優待サービスがある
- タッチ決済対応でスピーディーに支払える
- 月間のご利用金額が10万円以上で基本ポイントの20%分が加算される
初年度の年会費が無料!優待サービスが充実したゴールドカード
※アメリカン・エキスプレス®での
発行をご希望の方はこちら
三菱UFJニコスのビジネスカードには、お得なゴールドカードがあります。「三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネス」の年会費は11,000円(税込)ですが、初年度の年会費は無料です。
また、ランクの高いゴールドカードならではの空港ラウンジサービス、JAL航空券をお得な運賃で予約できる優待サービスのほか、手数料無料でのゴルフ場の代理予約など、出張や接待をサポートするサービスが充実しています。
ご利用可能枠は100万~300万円ですので、出張費や接待交際費、仕入れ代、広告宣伝費の支払いなどにも安心して利用できるでしょう。
三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネスは月間のご利用金額が10万円以上の方は基本ポイントの50%分が加算されます。経費管理業務の効率化だけでなく、たまったポイントを福利厚生プランに使ったり、マイルに交換したりすることで経費削減にもつながるのでお得です。
三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネスの特長
- 初年度の年会費が無料になる
- タッチ決済対応でスピーディーに支払える
- 国内とホノルルの空港ラウンジが無料で利用できる
- ビジネスシーンでの優待サービスや割引サービスを利用できる
ビジネスリーダーにふさわしい、ステータス性と実用性に優れたプラチナカード
ランクの高い「三菱UFJカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード」は、充実の優待サービスを付帯しています。経費管理の業務効率化だけでなく、ビジネス面においてさまざまなサポートがあるので実用性にも優れている1枚です。
例えば、24時間365日対応のコンシェルジュサービスが付帯されているので、国際便の手配や接待先のお店の予約、出張先での病気やケガなどをサポートします。また、国内外の空港ラウンジを利用できる、プライオリティ・パスに無料で入会できるので、空港での時間も快適に過ごせるでしょう。
ほかにも、一流ホテル、厳選されたダイニングやスパ、レストランでの優待サービスがあり、接待や出張の際に使えるハイクラスなサービスがそろっています。
入会初年度は、国内利用で基本ポイントが1.5倍、海外利用で2倍になるので海外出張費や経費の支払いでお得にポイントがためられます。
三菱UFJカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カードの特長
- コンシェルジュサービスを24時間365日利用できる
- 国内外の空港ラウンジが利用できる
- 海外出張の際にカード使用者1名につきスーツケース1つを優待価格で宅配できる
- 入会初年度の基本ポイントが国内利用で1.5倍、海外利用で2倍になる
- 国内の厳選されたレストランで2名以上の利用で1名分が無料になる
- 一流ホテル、厳選されたダイニングやスパでの優待サービスがある
- 国内利用分のポイントが1.5倍になる(入会初年度限定)
- 海外利用分のポイントが2倍になる
法人税の納付にもビジネスカードを活用しよう
法人税は、法人の所得に対して課せられる税金です。個人事業主の所得によっては、法人化したほうが税負担を抑えられることがあります。ただ、法人は、個人事業主よりも会計処理が複雑になるため、ビジネスカードを活用するのがおすすめです。
仕入れ代など経費の支払いをビジネスカードに一本化し、会計ソフトと連携することで、会計業務の負担を軽減することが可能です。法人として起業を考えている方、個人事業主で法人化を考えている方は、ぜひビジネスカードの活用をご検討ください。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
おすすめのクレジットカード
カード名 | スモールビジネスや 個人事業主の 最初の1枚におすすめ |
経費や仕入れ代などに 余裕を持たせたい 経営者におすすめ |
コンシェルジュなど 最高クラスの優待がほしい 経営者におすすめ |
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三菱UFJカード ビジネス |
三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネス |
三菱UFJカード プラチナ・ビジネス・ アメリカン・ エキスプレス®・カード |
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※アメリカン・エキスプレス® |
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年会費 |
1人目 |
1,375円(税込) ※Visa、Mastercard® |
11,000円(税込) 初年度は年会費無料 ※Visa、Mastercard® |
22,000円(税込) |
2人目 以降 |
1,375円(税込) ※Visa、Mastercard® |
2,200円(税込) ※Visa、Mastercard® |
3,300円(税込) |
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ご利用可能枠 |
40万~80万円 ※ご契約法人単位 |
100万~300万円 ※ご契約法人単位 |
100万~500万円 ※ご契約法人単位 |
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特長 |
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最短発行 可能期間 |
3~4週間 | 3~4週間 | 3~4週間 |
カード種類・国際ブランドを選択のうえ、
お申し込みフォームへ進んでください。
カード種類
※カードお申し込み時点で、内定者の方は「学生」をご選択のうえお申し込みください。
国際ブランド
国際ブランド
- 法人税とはどんな税金ですか?
- 法人税とは、法人の企業活動で得た所得に対して課せられる国税です。法人に関連する税金は、法人税のほかに法人事業税、法人住民税があり、これらをまとめて「法人税等」と呼びます。
詳しくは「法人税とは法人の所得に課せられる税金のこと」をご確認ください。 - 法人税は誰が払うのですか?
- 法人税の課税対象となる法人は、株式会社や合同会社などの「普通法人」と生活協同組合、農業協同組合、信用金庫などの「協同組合等」です。公益法人等、公共法人、人格のない社団等については、法人税の課税対象ではありません。ただし、公益法人等と人格のない社団等については、収益事業から生じた所得は課税対象になります。
詳しくは「法人税がかかる法人の種類」をご確認ください。 - 法人税はいつ支払う?
- 法人税の申告期限は、事業年度終了日の翌日から2カ月以内です。納税については、基本的に中間申告分と確定申告分に分けて納税します。中間申告分の納付期限は、各事業年度開始の日から6カ月を経過した日から2カ月以内、確定申告分は、各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内です。ただし、前事業年度の法人税額が20万円以下、または設立初年度の法人は、中間申告分を納付する必要はありません。
詳しくは「法人税の対象期間と申告期限」をご確認ください。