会社経費の支払い効率化術
2025年2月3日

個人事業主が経費にできるものは?できないものや家事按分も解説

個人事業主が経費にできるものは?できないものや家事按分も解説

事業の利益にかかる税金は、「収入-経費」である所得をベースに計算されます。そのため、経費をもれなく計上することは節税につながるので非常に重要です。
ここでは、個人事業主が経費に計上できるもの、できないものを説明した上で、家事按分の方法や個人事業主の経費管理を簡単にする方法についても解説します。

個人事業主の経費とは事業のために使ったお金

個人事業主の経費とは、事業を行うために使ったお金のことです。例えば、店舗の家賃やチラシの作成費、キッチンカーのガソリン代、取引先を訪問するための電車代などは、どれも経費に該当します。

個人事業主は、毎年確定申告を行って所得税や住民税を納めなくてはなりませんが、これらの税金は「収入-経費」である所得をベースに計算します。経費に計上した分だけ所得が少なくなり、負担する税金の額も少なくなるので、経費は漏れなく計上することが大切です。

ただし、いくら多くの経費を計上したいからといって、何でも経費にできるわけではありません。事業に関係ないものは経費にできず、経費に該当するものでも、支出の証拠となるレシートなどの書類を残しておかなければなりません。税務調査の際に、正当な経費であると説明できなければ、追徴課税を受ける可能性があります。

個人事業主が経費に計上できるもの

基本的に事業に関する支出であれば、経費として計上できます。経費に計上できる代表的な費用は以下の表のとおりです。

■ 経費に計上できる主な費用

費用の種類 該当する項目
人件費 従業員に支払った給与や賞与、手当など、人を雇用する際に発生する費用。生計を共にする家族を従業員として給与を支払っている場合は、基本的には給与は経費にならないが、青色事業専従者給与や事業専従者控除を適用できると、給与の全部または一部を経費計上できる
地代家賃 店舗やオフィスの家賃、社用車の駐車場代、社宅の家賃や管理費、共益費など事業に使用している土地や建物にかかる費用
交際費 会議や打ち合わせを目的とした交際に伴う飲食代や、得意先などへの贈答品の代金、お中元やお歳暮の費用、取引先に関わる冠婚葬祭で支払ったご祝儀や香典など
消耗品費 短期間で消費して、固定資産にならない10万円未満の事務用品やオフィス家具、電化製品など
旅費交通費 業務を行う上で必要な電車、バス、タクシーなどの交通費、出張の際の交通費や宿泊費、ガソリン代など。出張の日当も含む
水道光熱費 水道代やガス代、電気代といった、公共料金の費用など
通信費 インターネット回線使用料や通話料、切手代、ファックス代など
広告宣伝費 商品やサービスを宣伝するためにかかった費用。WEBサイトやチラシ、看板などの制作費、広告の出稿料など
福利厚生費 健康診断費用、社員旅行費用など、従業員の福利厚生のために支出した費用
法定福利費 健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料の企業負担分の費用
租税公課 個人事業税、法人事業税、印紙税、固定資産税、消費税、社用車の自動車税などの税金

上記の表は勘定科目ごとにわけています。勘定科目とは、記帳の際に取引の内容をわかりやすく分類するために使われる簿記の科目のことです。経費の支払いを記帳する際に使い、確定申告では、この勘定科目別に1年間の経費の総額を申告することになります。

上記の表のように、主に使われる勘定科目はだいたい決まっていますが、事業内容にあわせて新しく作ることも可能です。ただし、同じ内容の取引は、毎年同じ勘定科目で計上する必要があります。

なお、販売目的で商品や原材料を購入する仕入れにかかった費用は、事業にかかった費用として計上し、売上から差し引くことが可能です。ただし、経費とは別扱いで「仕入」や「商品」の勘定科目を使って処理し、確定申告でも仕入金額は「売上原価」として、経費とは別に記載します。
また、まだ販売していない商品の仕入れにかかった費用は、その期の費用として計上することはできません。

個人事業主が経費に計上できないもの

個人事業主が経費にできないものは、事業活動に関係のない支出や売上につながらない支出などです。以下のように間違いやすい項目もあるので注意しましょう。

プライベートの支出

プライベートの支出は事業を行うために使ったお金ではないので、個人事業主の経費にはなりません。プライベート兼事業用に支払った費用については、後で説明する「家事按分」の処理を行うことで、事業にかかった分だけ経費に計上できます。

個人事業主本人の福利厚生費

個人事業主本人の健康保険料や健康診断の費用、スポーツジムの会費などは、個人事業主の経費に計上できません。ただし、個人事業主本人やその家族以外の従業員がいる場合に、その従業員の福利厚生として使った費用は、経費として計上できます。

一部の税金や手数料、罰金

個人事業主の経費にできないものには、所得税や住民税など、個人事業主自身が納める税金も該当します。また、交通違反の反則金や追徴課税による支払いも、経費として認められません。ただし、個人事業主が納める個人事業税や事業で使用した自動車の自動車税、事業にまつわる固定資産税などは経費として計上できます。

未使用の事務用品の購入費

事業用の事務用品を購入した費用は経費に該当しますが、未使用のものに関しては経費に計上できません。使用した分の購入費だけを、その年の経費として計上することになります。

個人事業主と生計を一にする家族や親族への支払い

個人事業主と生計を一にする家族や親族に支払った給与等は、原則として経費にはできません。ただし、個人事業主が確定申告を青色申告で行っている場合は、一定の条件を満たしていれば、支払った金額のうち一部を経費にできます。

なお、確定申告を白色申告で行っている場合は、生計を一にする家族や親族に支払った給与等を経費に計上できませんが、一定の条件を満たしていれば、白色申告にかかる「事業専従者控除」を受けられます。

プライベート兼事業で利用している経費は家事按分を行う

自宅兼オフィスの賃料やインターネット回線の使用料など、プライベート兼事業で利用している支払い分については、青色申告と白色申告での要件を満たせば、事業で使った分だけを経費として計上できます。この処理を「家事按分」といいます。

家事按分はプライベート用を使用比率で分けること

家事按分では業務上使用している割合を計算しますが、その計算方法についての明確なルールはなく、事業主の判断に任されています。ただし、税務調査を受けたときに、なぜこの金額になるのかを明確に示せるように、第三者が見て納得できる根拠に基づいて按分する必要があります。
ここでは家事按分を行う主な例を見ていきましょう。

自宅兼オフィスの家賃の家事按分

自宅兼オフィスの家賃は、使用している面積の割合で按分します。例えば、自宅の床面積が50平方メートル、家賃が月9万円で、約10平方メートルをオフィスとして利用している場合、按分率は「10平方メートル÷50平方メートル=0.2(20%)」となります。そのため、按分金額は「9万円×20%=1万8,000円」です。

自宅兼オフィスの水道光熱費の家事按分

自宅兼オフィスの水道光熱費の按分は、事業で使用した日数や使用時間を基準として、按分率を計算するのが一般的です。例えば、週5日毎日8時間、自宅で業務を行っている場合だと、1週間の業務使用時間は「8時間×5日=40時間」です。1週間の総時間は「24時間×7日=168時間」なので、按分率は「40時間÷168時間=0.24(端数切り上げで24%)」となります。
毎月の電気代が1万円であれば、「1万円×24%=2,400円」を経費として計上します。
なお、インターネット回線代なども同じように事業で使用した日数や使用時間を基準に計算します。

自家用車を事業での移動にも使っている場合の家事按分

自家用車を事業で使っている場合、ガソリン代やリース代などは、事業で使用した日数や時間、走行距離などを基準に按分率を計算するのが一般的です。例えば、年間の走行距離が1万km、そのうち事業での使用分が2,000km、年間のガソリン代が10万円なら、「2,000km÷1万km=0.2(20%)」なので、10万円の20%にあたる2万円分を経費として計上します。

なお、事業での移動中に通った有料道路の通行料、使用した駐車場の代金などは、家事按分不要ですべて経費として計上できます。

取得価額が10万円を超えるものは減価償却の対象になる

自動車や高額なパソコンなど、取得価額が10万円を超えるものは、耐用年数に応じた年数に分けて経費を計上する「減価償却」が必要になります。例えば、事業用のパソコンを20万円で購入した場合、一般的なパソコンの耐用年数は4年なので、20万円を4年間に分けて経費にします。

ただし、国税庁のWEBサイト「No.2100 減価償却のあらまし」によると、青色申告を行っている個人事業主は、事業に使用した分に限り、取得価額が10万円以上30万円未満のものなら年間300万円を限度として、すべて購入年の経費とすることが可能です。また、取得価額が10万円以上20万円未満のものについては、耐用年数に応じて減価償却を行うか、3年で償却するかを選択できます。

なお、減価償却の方法には、以下の図のように、毎年同じ額を経費とする「定額法」と初年の計上額が大きくなる「定率法」の2種類があります。

減価償却とは耐用年数に応じて経費に計上すること

個人事業主は基本的には定額法になりますが、税務署に届出をした場合は、定率法も選択できます。詳しくは国税庁のWEBサイト「No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)」をご確認ください。

個人事業主の経費管理を簡単にするには?

個人事業主が経費を漏れなく計上するには、日ごろから取引を正確に記帳し、何にいくら支払ったのかを把握しておくことが欠かせません。経費管理を簡単に行うには、ビジネス専用のクレジットカードである法人カードが役立ちます。法人カードといっても、個人事業主でも持てるビジネスカードがあります。

経費の支払いをすべてビジネスカードに一本化しておけば、プライベートの支払いと混ざる心配はありません。また、明細を見れば支出の詳細を把握でき、会計ソフトと連携させれば、自動で取引履歴を取り込むことも可能です。記帳漏れや記載ミスもなくなるので、経費管理の手間が大幅に軽減されます。

個人事業主は三菱UFJニコスのビジネスカードがおすすめ

法人カードにはさまざまなものがありますが、個人事業主に使いやすいものなら、三菱UFJニコスのビジネスカードがおすすめです。VisaとMastercard®から国際ブランドを選べる「三菱UFJカード ビジネス」、「三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネス」と、アメリカン・エキスプレスブランドの「三菱UFJカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード」の3種類が展開されており、年会費と付帯サービスのバランスを見て、自分に合うものを選べます。

初めてビジネスカードを持つ経営者におすすめの三菱UFJカード ビジネス

三菱UFJニコスが発行している「三菱UFJカード ビジネス」は、スモールビジネスや個人事業主の方が入会しやすく、初めてビジネスカードを持つ経営者におすすめです。

ビジネスカードのご利用金額は法人口座(屋号付き口座)からの引き落としになり、立て替え払いの負担を軽減したり、会計ソフトと連携して経費管理業務の効率化を図れたりします。また、引き落とし日に経費の支払日を一元化できるため、支払いまでにゆとりができて、キャッシュフローの改善などにも役立つでしょう。年会費は1,375円(税込)で、出張経費の削減に貢献する限定プランや、経費が割引価格になる優待サービスも利用可能です。

さらに、経費の支払いで1ポイント5円相当で使えるポイントがたまるだけでなく、ご利用金額に応じて基本ポイントを優遇するサービスや、入会初年度は国内利用でポイントが1.5倍になる優待サービスなどもあります。
すでに法人カードを持っていて、ご利用可能枠を増やしたいという場合にもおすすめの1枚です。

三菱UFJカード ビジネスの特長

  • 出張経費の削減や経費が割引価格になる優待サービスがある
  • タッチ決済対応でスピーディーに支払える
  • 月間のご利用金額が10万円以上で基本ポイントの20%分が加算される

初年度の年会費が無料!優待サービスが充実したゴールドカード

三菱UFJカードゴールドプレステージビジネス

※アメリカン・エキスプレス®での
発行をご希望の方はこちら

三菱UFJニコスのビジネスカードには、お得なゴールドカードがあります。三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネス」の年会費は11,000円(税込)ですが、初年度の年会費は無料です。

また、ランクの高いゴールドカードならではの空港ラウンジサービス、JAL航空券をお得な運賃で予約できる優待サービスのほか、手数料無料でのゴルフ場の代理予約など、出張や接待をサポートするサービスが充実しています。

ご利用可能枠は100万~300万円ですので、出張費や接待交際費、仕入れ代、広告宣伝費の支払いなどにも安心して利用できるでしょう。

三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネスは月間のご利用金額が10万円以上の方は基本ポイントの50%分が加算されます。経費管理業務の効率化だけでなく、たまったポイントを福利厚生プランに使ったり、マイルに交換したりすることで経費削減にもつながるのでお得です。

三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネスの特長

  • 初年度の年会費が無料になる
  • タッチ決済対応でスピーディーに支払える
  • 国内とホノルルの空港ラウンジが無料で利用できる
  • ビジネスシーンでの優待サービスや割引サービスを利用できる

ビジネスリーダーにふさわしい、ステータス性と実用性に優れたプラチナカード

ランクの高い「三菱UFJカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード」は、充実の優待サービスを付帯しています。経費管理の業務効率化だけでなく、ビジネス面においてさまざまなサポートがあるので実用性にも優れている1枚です。

例えば、24時間365日対応のコンシェルジュサービスが付帯されているので、国際便の手配や接待先のお店の予約、出張先での病気やケガなどをサポートします。また、国内外の空港ラウンジを利用できる、プライオリティ・パスに無料で入会できるので、空港での時間も快適に過ごせるでしょう。

ほかにも、一流ホテル、厳選されたダイニングやスパ、レストランでの優待サービスがあり、接待や出張の際に使えるハイクラスなサービスがそろっています。
入会初年度は、国内利用で基本ポイントが1.5倍、海外利用で2倍になるので海外出張費や経費の支払いでお得にポイントがためられます。

三菱UFJカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カードの特長

  • コンシェルジュサービスを24時間365日利用できる
  • 国内外の空港ラウンジが利用できる
  • 海外出張の際にカード使用者1名につきスーツケース1つを優待価格で宅配できる
  • 入会初年度の基本ポイントが国内利用で1.5倍、海外利用で2倍になる
  • 国内の厳選されたレストランで2名以上の利用で1名分が無料になる
  • 一流ホテル、厳選されたダイニングやスパでの優待サービスがある
  • 国内利用分のポイントが1.5倍になる(入会初年度限定)
  • 海外利用分のポイントが2倍になる

経費を漏れなく計上するためにビジネスカードを活用しよう

個人事業主が納める税金を最低限に抑えるためには、経費を漏れなく計上することが重要です。経費にできるもの、できないものを把握し、できるものについてはレシート等をしっかり保存した上で、すべて経費として計上しましょう。
経費管理は大変に思えますが、ビジネスカードに経費の支払いを一本化すれば、手間は軽減されるだけでなく、付帯サービスも利用できます。ビジネスカードなら個人事業主の方も申し込みができるので、ぜひ活用してみてください。

おすすめのクレジットカード

カード名 スモールビジネスや
個人事業主の
最初の1枚におすすめ
経費や仕入れ代などに
余裕を持たせたい
経営者におすすめ
コンシェルジュなど
最高クラスの優待がほしい
経営者におすすめ
三菱UFJカード
ビジネス
三菱UFJカード
ゴールドプレステージ
ビジネス
三菱UFJカード
プラチナ・ビジネス・
アメリカン・
エキスプレス®・カード

年会費

1人目

1,375円(税込)

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

11,000円(税込)

初年度は年会費無料

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

22,000円(税込)

2人目
以降

1,375円(税込)

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

2,200円(税込)

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

3,300円(税込)

ご利用可能枠

40万~80万円

※ご契約法人単位

100万~300万円

※ご契約法人単位

100万~500万円

※ご契約法人単位

特長
  • 月間のご利用金額が10万円以上で基本ポイントの20%分が加算
  • 入会初年度は国内利用でポイントが1.5倍
  • 初年度の年会費無料!
  • 国内とホノルルの空港ラウンジサービスが利用可能
  • 月間利用が10万円以上で、基本ポイントの50%分を加算
  • 専用コンシェルジュが24時間365日対応
  • 国内外の空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスに無料で入会可能!
最短発行
可能期間
3~4週間 3~4週間 3~4週間

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よくある質問
個人事業主は何を経費にできますか?
個人事業主が経費にできるのは、事業を行うために使ったお金です。例えば、店舗の家賃やチラシの作成費、キッチンカーのガソリン代、取引先を訪問するための電車代などは、すべて経費にできます。一方、事業と関係ないプライベートでの支出や事業主本人の福利厚生に関する費用、所得税や住民税などは経費にできません。

詳しくは「個人事業主が経費に計上できないもの」をご確認ください。
個人事業主は食事代を経費にできますか?
食事代は、事業を行う上で必要なものであれば経費にできます。例えば、取引先との会食費や従業員の慰安のために開いた懇親会の費用などは、経費に計上できます。一方、プライベートでの食事の代金や家族での外食費などは経費にできません。

詳しくは「個人事業主が経費に計上できるもの」をご確認ください。
経費で落とすと何がメリットになりますか?
個人事業主が納めなくてはならない所得税や住民税の金額は、「収入-経費」である所得をベースに計算されます。そのため、経費を計上した分だけ、負担する税金の額が小さくなるというメリットがあります。

詳しくは「個人事業主の経費とは事業のために使ったお金」をご確認ください。