寡婦控除とは?対象要件やひとり親控除との違いを解説
夫と離婚または死別した女性は、所定の要件に該当すると「寡婦控除」を適用できます。年末調整や確定申告で寡婦控除を適用すると、一定の金額が所得から差し引かれ、所得税や住民税の負担を軽減することが可能です。ただ、夫と離婚または死別した人でも、子供がいる場合は、寡婦控除ではなく「ひとり親控除」の対象になる場合があるため注意が必要です。
ここでは、寡婦控除の対象になる要件や、寡婦控除とひとり親控除の違い、寡婦控除の申告方法などについてわかりやすく解説します。
寡婦控除とは夫と離婚・死別した女性が適用できる所得控除
寡婦控除は、夫と離婚または死別し、その後婚姻をしていない女性のうち、一定の要件に該当する場合に適用できる所得控除です。年末調整や確定申告で寡婦控除を適用すると、所得額から27万円が差し引かれます。所得税や住民税は所得額をもとに計算されるので、寡婦控除が適用されれば、その分税負担が少なくなります。
寡婦とは?
所得税法上の「寡婦」とは、納税者本人が夫と死別・離婚した後に婚姻していない人、または夫の生死が明らかでない人のことを指します。ただし、すべての寡婦が寡婦控除の対象になるわけではありません。寡婦控除を適用するには、所得額など、後述する要件を満たす必要があります。
なお、妻と死別または離婚した男性は「寡夫」となり、寡婦控除の対象外です。以前は寡夫のうち子供のいる人を対象にした「寡夫控除」がありましたが、2020年に廃止されています。シングルファーザーや未婚の母など、寡婦以外で子供を育てている場合は、所定の要件を満たせば、「ひとり親控除」という所得控除の対象になります。
所得控除とは?
所得控除とは、納税者の生活状況に合わせて、所得額から一定の金額を差し引く制度です。所得控除は寡婦控除を含めて全部で15種類あり、納税者自身の生活状況によってそれぞれ適用されます。
所得控除が適用されると課税される所得額が少なくなるため、所得税や住民税の負担が軽減されます。寡婦控除の控除額は27万円なので、税額計算のベースになる課税所得が27万円分少なくなるということです。
寡婦控除の要件
国税庁のWEBサイト「No.1170 寡婦控除」によると、寡婦控除の対象になるのは、「ひとり親控除」の要件に該当しない人で、その年の12月31日時点で以下のいずれかの要件に該当する人です。
なお、ここでいう夫とは民法上の婚姻関係にある人になります。
寡婦控除の要件
- 夫と離婚した後に婚姻しておらず、扶養親族がいる人で合計所得額が500万円以下の人
- 夫と死別した後婚姻をしていない人または夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得額が500万円以下の人
離婚と死別の対象要件の違いは、扶養親族の有無です。扶養親族とは、納税者と生計を一にしている配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)で、年間の合計所得額が48万円以下であり、青色申告者の事業専従者や白色申告者の事業専従者ではない人を指します。例えば、年間の合計所得額が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)の親と同居している場合などは、寡婦控除の要件に該当するでしょう。
なお、寡婦控除の要件を満たす人が子供を扶養している場合は、寡婦控除ではなく、この後解説する「ひとり親控除」の対象になります。
寡婦控除とひとり親控除の違い
寡婦控除とひとり親控除の違いは、婚姻歴や子供の有無、性別、控除額です。寡婦控除は夫と離婚または死別した女性が対象ですが、ひとり親控除は未婚で子供を育てている人や、男性(シングルファーザー)も対象になります。また、寡婦控除は子供がいない人が控除対象になりますが、ひとり親控除は子供のいない人は対象外です。
国税庁のWEBサイト「No.1171 ひとり親控除」によると、ひとり親控除の要件は、以下のとおりです。
ひとり親控除の要件
- 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいない
- 生計を一にする子(総所得額等が48万円以下)がいる
- 合計所得額が500万円以下
なお、寡婦控除とひとり親控除は併用できず、両方の要件に該当する場合は、ひとり親控除が優先されます。ひとり親控除の控除額は35万円で、寡婦控除の控除額より多い点も違いの1つです。
■ 寡婦控除とひとり親控除の違い
寡婦控除 | ひとり親控除 | |
---|---|---|
性別 | 女性のみ | 問わない |
配偶者 ※事実婚の相手含む |
なし(離婚または死別) | なし |
子供 | なし | 生計を一にする子供が必要 |
控除額 | 27万円 | 35万円 |
対象となる合計所得額 | 500万円以下 | 500万円以下 |
寡婦控除を受けるための申告方法
寡婦控除を受けるためには、年末調整または確定申告で申告する必要があります。寡婦控除の要件に該当しても、申告をしなければ控除は適用されないので注意しましょう。
年末調整と確定申告での申告方法は、それぞれ以下のとおりです。
年末調整で申告する
会社員やパート、アルバイトなどの給与所得者は、基本的に勤務先で年末調整を行います。
寡婦控除の対象要件に該当する場合は、勤務先に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「C 障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の「寡婦」の欄にチェックを付けます。
なお、年末調整で寡婦控除の申告を忘れてしまった場合は、確定申告を自分で行うことで、寡婦控除の適用が可能です。
■ 年末調整で寡婦控除を申請する際の記載箇所
※国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」
確定申告で申告する
確定申告で寡婦控除を申告する場合は、確定申告書の第一表と第二表にそれぞれ記載が必要です。
まず、確定申告書第一表の「所得から差し引かれる金額」の中にある「寡婦、ひとり親控除」欄に、寡婦控除の控除額「270000」を記入します。区分欄の記載は不要です。
次に、確定申告書第二表の「本人に関する事項」欄の「寡婦」に〇をつけ、その下に記載されている「死別・離婚・生死不明・未帰還」の4つの事由のうち、該当するものにチェックを入れます。
■ 確定申告で寡婦控除を申告する際の記載箇所(確定申告書第一表)
※国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」
■ 確定申告で寡婦控除を申告する際の記載箇所(確定申告表第二表)
※国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」
支出を抑えるには家計管理も大切
寡婦控除などの所得控除を適用すると、所得税や住民税の負担が軽減され、家計の支出を少なくすることができます。所得控除には寡婦控除のほかにもさまざまな控除制度があるので、要件に該当する場合は忘れずに申告するようにしてください。
また、支出を抑えるには、所得控除を適用するだけでなく、日々の家計管理も重要です。家計管理を行って無駄な支出を抑えれば、自由に使えるお金を増やすことができます。家計管理の際にクレジットカードを活用すれば、WEB明細を家計簿代わりにして簡単に支出管理ができたり、日常の支払いでポイント還元を受けられたりするのでお得です。クレジットカードを活用した家計管理で、賢い節約を心掛けていきましょう。
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寡婦控除の対象要件に該当する場合は忘れずに申告しよう
寡婦控除は、夫と離婚または死別した女性が、所定の要件に該当する場合に適用できる所得控除です。寡婦控除を適用するためには、年末調整か確定申告で申告する必要があります。寡婦控除が適用されれば、所得税や住民税の負担を軽減することができるので、要件に該当する場合は忘れずに申告するようにしましょう。
また、節約するには、所得控除とあわせて家計管理を行っていくことも大切です。クレジットカードを活用すると支出管理が簡単にできたり、ポイント還元を受けられたりするので、ぜひ家計管理にお役立てください。
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- 寡婦控除の対象はどんな人ですか?
- 寡婦控除の対象は、夫と離婚または死別し、その後婚姻をしていない女性で、合計所得額が500万円以下の人です。離婚の場合は扶養親族がいる人だけが寡婦控除の対象になりますが、死別の場合は扶養親族がいない人でも適用されます。なお、夫と離婚・死別した独身女性であっても、生計を一にする子供(総所得額等が48万円以下)がいる場合は、寡婦控除ではなくひとり親控除の対象になります。
詳しくは「寡婦控除の要件」をご確認ください。 - 寡婦控除の金額はいくらですか?
- 寡婦控除の控除額は27万円です。離婚か死別かにかかわらず、寡婦控除の対象になる場合は、所得から一律で27万円が差し引かれます。所得税や住民税は1年間の所得額をもとに算出されるため、寡婦控除で27万円が控除されると、その分納税額が少なくなります。
詳しくは「寡婦控除とは夫と離婚・死別した妻が適用できる所得控除」をご確認ください。 - 寡婦控除とひとり親控除の違いは?
- 寡婦控除とひとり親控除の違いは、婚姻歴や子供の有無、性別、控除額です。寡婦控除は夫と離婚または死別した女性が対象ですが、ひとり親控除は未婚で子供を育てている人や、男性(シングルファーザー)も対象になります。また、寡婦控除は子供がいない人が控除対象になりますが、ひとり親控除は子供のいない人は対象外です。控除額もそれぞれ異なり、寡婦控除の控除額は27万円ですが、ひとり親控除の控除額は35万円です。
詳しくは「寡婦控除とひとり親控除の違い」をご確認ください。