ごあいさつ

平素より弊社に格別のご愛顧を賜り、心より厚く御礼申し上げます。2025年度にあたって、一言ご挨拶申し上げます。

国内景気が緩やかな回復基調を続けるなか、キャッシュレス市場はその勢いを上回る成長を続けております。経済産業省によれば、2024年のキャッシュレス決済額は前年から約11％増え約141兆円に達し、同決済比率も約42％に至り、同省が2025年までの目標と示した40％超えを、1年前倒しで達成しました。このうち、クレジットカード決済が約83%と引き続き決済インフラの中核を占めており、さらなる利便性の向上に対するお客さまからの期待は一段と高まっているところです。一方、こうしたニーズの裏側で、クレジットカードの不正利用が深刻な問題となっており、実際、その被害額は2024年で前年を約3％上回る555億円に達しております。不正利用の防止に向けて、官民一体の協働や業界横断的な取り組みもスタートしておりますが、利便性の向上とともに、これまで以上に、安全・安心の向上も大切になっている、と強く認識しております。

こうした状況に対し、わたくしどもは、2023年に方針として掲げた「快適・安全・安心なサービス」を一段と向上させるべく、これまで以上に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との一体戦略を深化させて対応していく所存です。まず、システム統合計画は、計画通り順調に進行中で、今年度中に三菱UFJカードをはじめとするMUFGカードブランドとDCカードブランドのシステムの統合を実現し、新サービスや機能高度化に取り組みます。また、この6月から、MUFGはグループ一体の新たな金融サービスブランド「エムット」をスタートさせました。この中で、システム統合に先駆けて、三菱UFJカードのサービス機能を大幅に改善させたスマホ向け新決済アプリをリリースし、同時に最大20％のポイント還元キャンペーンも好評を頂いております。MUFGグループが「エムット」で一体戦略をより確かなものとし、今後も、お得で便利なサービスのさらなる向上に取り組んで参ります。同時に、安全・安心面では、カードの不正利用の防止に向け、AIと人力を組み合わせることで、2023、2024年度の2年連続で不正利用被害額を前年割れに抑制できており、今後も不正防止力をさらに高度化して参ります。このように、常に「お客さま本位」をベースに、MUFG中核会社として、グループ内の連携を一段と強化するとともに、様々なビジネスパートナーの方々と「ワンチーム」で、これまで以上に高度な「快適・安全・安心」のキャッシュレス環境を整えていく所存です。

弊社は、「経営ビジョン」として掲げた「豊かさとその先へ」、「快適で心地よい日常を」、「日常の中に感動を」の実現へと、さらに邁進を続けます。これまでの伝統に柔軟な発想を加え、弊社ならではの「より使いたくなるサービス」のご提供に向けて、お客さまのニーズを十分に汲み取り、迅速かつ的確な取り組みを進めて参ります。今後に大いにご期待くださいますよう、また、一層のご支援を賜りたくお願い申し上げます。

2025年6月27日
三菱UFJニコス株式会社　代表取締役社長
角田　典彦